大阪夷左翁寿司(大阪府大阪市:曽根崎お初天神近く)
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その6 「真冬の出前」 一覧に戻る
T: さぁ、今回もよもやま話を始めましょうか。
O: そうやね。
T: 当店に来られた方は、私が、能登の出身だということを、ご存知やと思いますが、大阪に来て30年近くなるけど、いつも冬になると思うのが、大阪の冬は、ほんまに暖かいなー。
O: 暖かい?寒いよ!!今年は、ほんまに寒い!!
T: 何ゆうてんねん。わしの田舎に比べたら、ほんま天国やで。わしの若い頃(修行時代)なんか、真冬の真夜中の出前なんか悲惨やで、バイクで20キロも走ったら、顔からツララが下ってんねん
O: 顔からツララって・・・凍ってるやん。大丈夫なん?
T: それが慣れたら、大丈夫やねん。
O: 話し聞いてるだけで寒いわ。私なんかぜったいあかんやろうなぁー。大阪の寒さでも、冬眠したいぐらいやもん。
T: 冬眠といえば、人間ってあんまり寒くなると、ほんまに眠くなるねんで。
O: ほんまぁ、経験ないけど、雪山で遭難した時、死と直面してても眠くなるという状態?
T: そうそう、本当に寒さを通り越したら、眠くなる。
T: これも能登での出前の話しやけど、出前を持っていくときは、スムーズに行くねんけど、寿司を渡し終えた帰りが問題や。何故か、今まで晴れていたのに、突然吹雪になってて、用事を済ませたという安心感も重なってか、だんだん眠くなってくんねん。寒さもピークになってきた頃、バイクに乗りながら、いつの間にか熟睡してて、雪の壁にぶつかって、初めて目が覚めるねん。
O: それって居眠り運転やん。ぶつかって目が覚めたって、大丈夫やったん?
T: 大丈夫、大丈夫、雪の壁にバイクだけ刺さってて、わしは、後ろに倒れてんねん。でも雪の上やしそんなにスピードも出てないから、怪我はぜんぜんしてないねんけど、ふと、自分が走ってきた道路を見ると、バイクのタイヤの跡だけが、くねくねと蛇行しながら続いてんねん。
O: おぉー怖っ。もし、そのとき車が来てたらあぶないやん。
T: まぁ田舎の道やし、そんな吹雪いてる時に、車なんか一台も走れへんから、車とぶつかる心配は、まずないねんけど、自分が死ぬか生きるかという心配だけやねんけど、眠たいねん。
O: 何か、出前行くのにも、命がけやね。それで、ちゃんと帰れたん?
T: それが、また知らん間に店についてて、店の前で、バイクに乗ったまま眠ってたら、女将さんに起こされて、初めて目が覚めんねんけど、どうやって帰ったんかは、全然記憶にないねん。ほんまに、人間って寒くても眠れるもんやで。
O: それって、寒さ関係なしで、あんたが、おかしいんとちゃう。
T: そんなことないって。みんな若い頃は、そうやねんって。若い頃は、みんな「伊達の薄着の身はつらい」を、そのまま実践してて、真冬でも、さらしに白衣一枚で、足元は、素足に下駄や。これが粋とされてたんやから。
O: もー聞いてるだけで寒いわ。若い頃そんなことしてたから、今、がたがきてるねん。
T: でもまぁー今思えば、いい思い出やで。
O: そやね、こうしてよもやま話にも載せれたし。
T: まぁ他にも、能登での面白い話は、いっぱいあるので、機会があればお話ししたいと思います。
O: では、この辺で
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