大阪夷左翁寿司(大阪府大阪市:曽根崎お初天神近く)
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その5 「棒寿司と菊練り」 一覧に戻る
T: さあ今回は、棒寿司について、お話したいと思います。
O: おぉいきなりきましたね。
T: よくお客様から、鯖寿司と鯖棒寿司の違いは何ですか?と、聞かれます。
O: そうやね。
T: なんか、今は、全部一緒になっているみたいやけど、鯖寿司といえば、「さばの寿司」なわけやから、鯖棒寿司も、松前鯖寿司、鯖のバッテラも入る。
O: なるほど。全部鯖を使っているから、鯖寿司やね。でも、それぞれ鯖を使っていても、呼び方が違うということは、作り方が違うということ?
T: そうや。別に鯖だけにかぎらへんけど、当店は、棒寿司が自慢やから、まずは棒寿司の説明からしよか。
O: お願いします。
T: まぁー皆さんが、想像している棒寿司というのは、棒のように長い形の寿司だと思うのですが、ただ、棒のように長いから棒寿司と言うのではなく、わしが、先輩から教わった昔ながらの棒寿司の仕事は、「布きん締め」という仕事。
O: 「布巾(ふきん)締め」といっても、初めて聞かれる方もいらっしゃると思いますので、説明お願いします。
T: はい。棒寿司の特徴は、シャリ(酢飯)を手で練ることです。
最近では、長箱と呼ばれる寿司専用の木枠に入れて、押したものを、棒寿司といっているようだが、それは松前寿司です。

棒寿司は、まず、シャリ(酢飯)を練り、中の空気を抜きます。
練るといっても分かりにくいかなー。
O: 私は、趣味で、陶芸をしているのですが、まず最初に土を練るのに、陶芸では、「菊練り」といって、土を練りながら、中の空気を抜いていく方法なんだけど、それと同じようなものやんね。

以前、大将を体験で陶芸教室に連れて行ったとき、初めてやのに、「菊練り」が、やたらうまくて、先生に「上手ですねー」と、言われていたのを、思い出したわ。
T: そうそう、シャリを練るのも「菊練り」と同じで、ご飯粒をつぶさずに、
中の空気を抜いていくんや。「菊練り」みたいに菊の花びらの形にせんでもいいけど。
O: 陶芸では、「菊練り」をしっかりして、中の空気を抜かなかったら、形成した時にひびが入ったりするねんけど、棒寿司もちゃんと練れてなかったら、あかんの?
T: 棒寿司の場合は、空気が抜けてなかったら、腐敗が早まるので、日持ちがしない。  
かといって、練りすぎたら、おもちみたいになるので、練りすぎず、ご飯粒をつぶさず、
空気を抜く、これが、
人の技や。
O: 陶芸では、「土練り」3年といって、ある程度上手に「菊練り」が出来るまでには、3年ぐらいかかるねんけど、やっぱり棒寿司のシャリを練るのにも、それぐらいかかるの?
T: シャリばっかり練っているわけにもいけへんから、何年とは、言われへんけど、1年目の人と3年目の人が作る棒寿司は、明らかに味が違うよ。
きっと陶芸家は、棒寿司を作るのが、うまいと思うでー。
O: 大阪寿司を継ぐ人がいなくなったら、陶芸家に頼まなあかんねー。
T: そんな、あほな・・・
 シャリを練って、空気が抜けたら、それを手で棒状にする。
 そして、布きんを敷いて、塩をして酢で〆た鯖を、●●●にして置き、
 シャリをのせ、くるっと布きんで巻いて締める。このときに、横から見て扇形になっているのが良い。ぼてっとしているのは、格好が悪い。
O: 棒寿司って奥が深いねんねー。
T: 次回は、松前寿司とバッテラの話をしよか。
O: あと、棒寿司の面白い話もしましょうよ。
T: そやな。では今回は、これで。
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